治療中、治療後にも使える化粧品の開発をしています

ASVC活性保持型ビタミンC学会発表(1/2)

活性保持型アスコルビン酸(ASVC)による
尋常性痤瘡の治療効果
(第1報)

おおた皮ふ科形成外科クリニック
太田正佳
京都大学形成外科
都甲武史
よねむら皮膚科形成外科クリニック
米村信義

はじめに

脂腺性毛包に生じる慢性炎症性疾患。
皮脂分泌の相対的、絶対的分泌亢進に伴う毛包閉塞に伴う面皰形成で発症する。
実際には、多因子性で性ホルモン、皮脂、毛包内常在菌(propionibacterium acnes)、
生活スタイル、生理不順、便秘、環境因子などが深く関わり難治なものも多い。

従来から言われている治療の難しさの理由

  • ・多因子であること
  • ・患者自身の病識の薄さ
  • ・医者側の治療手段が限られていること
  • ・医者側の治療への取り組みの低さ
  • ・最近はいきなり保険外診療から入ることの弊害も

・尋常性痤瘡は顔面に発生するので、治療のゴールに美容的側面が入ると、価値観の違いなどから、治療ゴールの客観性を規定することの困難 さがある。(実際、病気の理解を患者と共有することは可能だが、治療のゴールを患者と医者が共有することは、かなり医師の忍耐を要するのではないか。

尋常性痤瘡の治療手段

保険診療枠内の治療保険外診療
  • ・生活指導
  • ・面皰圧出
  • ・ナジフロキサシンの外用
  • ・クリンダマイシンの外用
  • ・ミノサイクリンの内服
  • ・マクロライドの内服
  • ・ニューキノロンの内服
  • ・ホルモン療法
  • ・漢方薬治療
  • ・ビタミン剤の内服
  • ・イオウ製剤の外用
  • ・クリンダマイシンローションの外用
  • ・ケミカルピーリング(日本ではグリコール酸など)
  • ・サージカルピーリング
  • ・ビタミンCなどのイオン導入(家庭用)
  • ・レーザー治療
  • ・光治療(熱作用による皮脂腺の活動低下)
  • ・PDT、LED 治療
  • ・ビタミンC誘導体の外用治療
  • ・高濃度ビタミンCの外用治療
  • ・アダパレン外用
  • ・トレチノインの外用
  • ・イソトレチノインの内服

ビタミンC(VC)外用治療の尋常性痤瘡に対する効果

  • ・活性酸素の除去、抗老化作用
  • ・セラミド合成を促進して表皮バリア形成、角質の安定、異常角化の防止
  • ・男性ホルモンの抑制
  • ・抗炎症作用、メラニン淡色化―尋常性痤瘡の炎症痕色素沈着の予防

VCの皮膚吸収に対する工夫

  • ・イオン導入の使用
  • ・ケミカルピーリング後の使用
  • ・ビタミンC誘導体として使用。ビタミンCの肌に対する効果を引き出すことの困難さ(水溶液にすると酸化して活性が下がる)但し、ビタミンC誘導体はアスコルビン酸の化学的修飾を付加したもの、その修飾物はアスコルビン酸よりも大きいものを修飾しているので10%アスコルビンリン酸ナトリウムで4.9%である。5%アスコルビンリン酸マグネシウムで3%の濃度にしかならない。
  • ・高濃度ビタミンCも溶媒や基剤の種類により、経皮吸収する。(Dermatol Surg 2001;27:137-142) 2001年4月の薬事法改正 化粧品として用いる場合はVCは配合上限はない。

今回はグリセリンとビタミンCのみで
ビタミンC30%の高濃度VC外用剤を開発した。

高濃度VC外用剤の調整と使用方法

  • ・ビタミンC30%を特殊な方法で微細結晶化し、グリセリンに懸濁し安定化させた。保存剤は入っていない。
  • ・使用方法は一日2回、洗顔後、水分を充分ふきとり、本外用剤を顔面にパール粒大量を外用し、3分待つ。その後、外用剤を洗い流す。
  • ・今回の治療中は、その後の化粧水などの保湿成分なども外用することを控えてもらった。

ビタミンC

  • ・平成18年10月から平成19年9月までに顔面の尋常性痤瘡の治療を主訴として、当院を受診した方。
  • ・さらに、すでに他施設で保険内診療及び保険外診療を2ヶ月以上受け、治療効果を自覚できなかった方や他の治療を望んだ方。
  • ・本外用剤の外用以外の治療を禁止した上で、最低2ヶ月は本剤の外用を継続してもらう同意を得て、写真撮影及びロボスキンアナライザーでの撮影を診察時に行うことに了承を得た方。
  • ・男性9人  女性27人

評価について

  • ・評価は患者の尋常性痤瘡治療の改善度(満足度)の自覚的アンケート(10段階評価でどの程度の満足か)。
  • ・ロボスキンアナライザーの写真を治療前、治療後に分けて、医師3人で各々別に8段階評価した。治療前後のポイントの平均で改善度をみる(治療に携わった医師は除く)。
  • ・今回はロボスキンアナライザーの赤み評価の改善度を尋常性痤瘡の炎症性の変化と捉えて、尋常性痤瘡の改善の参考値とする。
  • ・その他の毛穴、色素沈着の評価データも参考にする。

患者の治療満足度アンケート

自分の尋常性痤瘡治療の目標の結果を10、治療開始時を0としたとき、
どの程度改善したと思えるか。

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医師による評価の基準

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  • ・著明改善(3以上) 3例
  • ・改善(2以上3未満) 5例
  • ・やや改善(1以上2未満) 7例
  • ・水平 3例
  • ・改善ポイントが変化なし(0 以上1 未満) 1例
  • ・悪化 0例

ASVC治療開始後の痤瘡の局所部分の経過
炎症を伴った膿疱部分の治療経過

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毛穴の開大した部分の治療経過

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