■院内製剤・院内分包について
院内製剤とは各病院が独自に作っている特殊製剤のことをいいます。院内分包とは、患者が使用しやすいように製剤を分けることをいいます。
院内で製剤を調整、分包することにより、必要量をその都度用意でき、短期間での消費が可能といった利点が挙げられます。
また、患者の病態やニーズに対応することができ、患者満足度の向上にもつながります。
院内製剤・院内分包は薬機法上の「化粧品」ではないため、能書やPOPの文言も薬機法の効能効果の範囲に囚われる必要がありません。
しかし、あくまで院内で販売することを目的としているため、通信販売を行うと薬機法違反となります。
また、化粧品を分包する際に、一度に同一容器に多量に分包すると、薬機法上は小分けをしていることとなり、化粧品製造業許可が必要になります。
分包と小分けの違いにご留意ください。
■化粧品について
一方、当社ブランド品や、表ラベル無地品(クリニック様のオリジナルラベルを貼付したもの)は、裏ラベル(化粧品の法定表示)があるため、薬機法上の「化粧品」となり、能書やPOPの文言も薬機法の効能効果の範囲内で作成することが求められます。
また、医療法により、医療機関内では化粧品を販売することはできません。近年は、コンタクトレンズや化粧品等の販売行為を明確に医療機関から分離させるため、MS法人(メディカル・サービス法人)を設立するケースも増えています。
医薬品の多くは薬機法により規制され、同時に良好な品質が確保されています。
一方、院内製剤は、特殊な処方であり市販品が存在しない場合、または医療機関における作業効率向上のために予製される製剤であり、調剤の準備行為あるいは延長線上にあると解釈されています。
近年、医療法の改正により、医療安全確保の体制作りが義務付けられており、個々の医療機関において、院内製剤の品質・安定性・安全性の確保がますます重要になっています。